シーリング工とは~華麗な技で建物を守る職人~お仕事紹介Vol.5

長い年月をかけて、代々受け継がれてきた職人の技。

建設業には様々な職種があり、各職人の高い技術は人々の暮らしを支えています。

しかし、その見事な技や仕事の重要性は、あまり知られていません。

「ひとりでも多くの人に建設業の魅力を伝えたい」

そんな想いで始めたお仕事紹介シリーズ。

Vol.5となる今回、注目する職人はシーリング工です。

「シーリングとは」という根本的な解説から「シーリング工として働く魅力」さらには「シーリング工の作業内容」まで盛り沢山の内容でお届けします。

建設業のお仕事紹介シリーズ前回の記事はこちら

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シーリングとは

シーリング工事

建物の隙間部分にシーリング材を充填する作業が、シーリング工事です。

外壁や、窓枠まわり、キッチンシンクなどの接合部分に生じる隙間を埋めることで、施工箇所の防水性、気密性、耐震性を向上させる効果があります。

この工事で活躍する職人が、今回の主役シーリング工です。

シーリング材

シーリング材はプニプニしたゴムのような素材で、シリコンやウレタンなど様々な種類を使用箇所や用途によって使い分けます。

シーリング材の種類については、後ほど『シーリング材の種類と使い分け』で解説しますね。

建物を守るシーリングの効果

防水性

シーリングには、建物内部への水の侵入を防ぐ効果があります。

雨水や生活用水が建物内部に浸水すると、腐食やサビなどの発生につながるので、建物にとって防水性は必須の要素です。

気密性

シーリングには、断熱効果や遮音効果もあります。

隙間を埋めることで、水だけでなく、空気の出入りも抑えられるからです。

耐震性

シーリングには、台風や地震などの振動や揺れによる衝撃を和らげる効果もあります。

振動や揺れに対してシーリング材がクッションとなり、建物のひび割れや損傷を小さく抑えることができます。

使用箇所とシーリング材の役割

外壁まわり=地震や台風などの揺れに対する衝撃緩和と浸水防止

窓枠まわり=接合、衝撃緩和、浸水防止

キッチンや浴室など水まわり=接合と浸水防止

シーリング材の劣化

シーリング材は紫外線を受け続けたり、温度変化・乾燥を繰り返したりすることで劣化してしまいます。

特に、外壁に使われるシーリング材が本来の効果を発揮できるのは、およそ5年~10年です。剥がれやひび割れといった症状が徐々に出てくることは避けられません。

劣化が進む前に、打ち換えや増し打ちといったメンテナンス作業を行うことで、ふたたび本来の効果を発揮します。

シーリング工として働く魅力

シーリング工事は、戸建て住宅、ビル、マンション、学校、病院など建築には欠かせない仕事のひとつです。

外壁の継ぎ目や窓枠まわり、キッチン、浴室など室内外問わず、様々な場所において必要とされるため、将来的な仕事の安定性が期待できます。

体力より技術が重視される業務が多く、建設業の中では身体の負担が少なめ。

年齢とともに体力が落ちてからも、働きやすい職種です。

将来的な仕事の安定性

シーリング工事は、戸建て住宅、ビル、マンション、学校、病院など建築には欠かせない仕事のひとつです。

外壁の継ぎ目や窓枠まわり、キッチン、浴室など室内外問わず、様々な場所において必要とされるため、将来的な仕事の安定性が期待できます。

体力より技術が重視される業務が多く、建設業の中では身体の負担が少なめ。

年齢とともに体力が落ちてからも、働きやすい職種です。

需要の高さ

シーリング工は、とにかく需要が高いという特徴があります。

戸建て住宅において、また、ビル、マンション、学校、病院などの大型施設においても欠かせない工事だからです。

新築からリフォーム、改修、メンテナンスまで、あらゆる工事でシーリングが必要となります。

シーリング工の需要の高さは、一過性のものではありません。

働きがい

やればやるだけ技術が上がり、技術が上がれば好待遇につながるので、働きがいがあります。

シーリング工は、資格や学歴関係なく、未経験から始められる仕事。

もちろん下積みは必要ですが、実力次第で年収600万円以上稼ぐことも可能な職種です。

なかには独立、起業して、さらに上を目指す人もいますよ。

将来に夢や希望を持って働ける仕事です。

建物を守る

シーリングには建物を守る効果があります。

防水性、気密性、耐震性が高まるからです。

シーリング工事はすべて手作業。

その手で、人々の暮らしの快適性、安全性を保つことができます。

シーリング工の作業内容

シーリング材の打ち換え作業手順

①古いシーリング材を除去

カッターで切り目を入れ、古いシーリング材を除去。

施工箇所についている汚れや細かいゴミまで落とします。

②養生・プライマーの塗布

綺麗に仕上げるため、テープを張って養生します。

プライマーは接着剤のような効果があるものです。

③シーリング材の充填

シーリングガンという工具を使用します。

多すぎず、少なすぎず、適量のシーリング材を充填できると、次の工程がスムーズです。

④押さえ

ヘラを使用した仕上げです。

正確に、手早く、美しく華麗な技で整えます。

⑤養生撤去・施工完了

シーリング材を硬化させるため、必要な時間乾燥させます。

種類や気候によって違いますが、およそ1日~3日でシーリング効果を発揮できるまで完全に硬化します。

最後に養生テープを剥がして完了です。

シーリング材の種類と使い分け

シリコン系

耐候性、耐水性、耐熱性が優れていて、価格が安いことが特徴です。

外壁やキッチン、浴室、ガラスまわりなどで使用します。

シリコンオイルと呼ばれる汚れが出やすいため、直接塗装はできません。

変性シリコン系

耐候性、塗装性が優れているシーリング材です。

外壁や金属類などに使用します。

シリコンオイルによる汚れが出にくいこと、硬化までの時間が短いことが特徴です。

ウレタン系

弾力があり、密着性が高いことが特徴です。

外壁のひび割れや、窓枠まわりなどで使用。

耐候性が弱いので、塗装による保護が必要になります。

硬化までに時間がかかるシーリング材です。

アクリル系

水性で扱いやすく、カラーバリエーションが豊富です。

主にALCパネル、内装などで使用します。

耐候性が高くないため、外装にはあまり使いません。

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