建設業には多様な職種が存在しています。
どれも欠かすことのできない重要な職種ばかり。
しかし、その重要性と対照的に、多くの職種は一般的に知られていません。
世間的に見てレアな職種にこそ、知られざる魅力があります。
そこにブルコラムが注目しました。
今回は「お仕事紹介Vol.2」一味違う解体職人、型枠解体工の紹介です。
型枠解体と聞いて、まずは何をイメージしますか?
おそらく解体というワードから、建物を壊す仕事を連想するのではないでしょうか。
ショベルカーなどの重機を使ってバリバリと壊すシーン。
それは家屋の解体で、型枠解体とは全く違います。
型枠解体は、建物を建てるほうの解体です。
この知られざる世界、1度知ったらハマるかもしれませんよ!?
壊さずに解体!?
コンクリートの建物をつくる型枠工事
建物を建てるのに解体と呼ばれるのは、なぜか。
マンションなどを建てる「型枠工事」の作業工程のひとつに、解体作業があるからです。
まずは「型枠工事」を簡単に説明しましょう。
型枠工事は、コンクリートの建物をつくるうえで必須の工事です。
・図面の通りに「カタ」をつくる
・「カタ」に「生地」を流し込む
・「生地」が固まるまで待つ
・「カタ」を外す
まるでお菓子作りのようです。
ケーキやプリンも「カタ」次第で、出来上がる「生地」のカタチが変わりますね。
コンクリートの建物をつくる際も同じで、意図するカタチに「カタ」を組み上げて「生地」を流し込みます。
型枠工事では、「生地」のことを「生コン」、「カタ」のことを「型枠」といいます。
型枠を、床、柱、梁など建物のカタチに組み上げていく職人が型枠大工。
生コンが固まった後に、型枠を外す職人が型枠解体工です。
型枠大工に関しては前回のVol.1で紹介しているので、こちらもぜひご覧ください。
参照:型枠大工とは?将来性と魅力は?~建設業のお仕事紹介Vol.1~
材料は再利用するため、壊さない
型枠のメインは、木材です。
材料は何度も再利用するため、壊さずに解体する必要があります。
主な道具は、約1mほどあるバール。
型枠同士のわずかな隙間にバールを差し込み、強くこねると型枠が外れます。
こねる位置や強さを間違うと、簡単に型枠が壊れるのが厄介なところです。
素早く丁寧なバールさばき
熟練の職人が作業していく姿は、間近で見ると圧巻です。
簡単そうにやってのけますが、実際自分がやってみると、一朝一夕で真似できるものではないとわかります。
機械やロボットには頼ることのできない、手作業の職人技。
素早く丁寧なバールさばきは、一見の価値があります。
危険と隣り合わせの作業!?
型枠解体が危険な理由
様々な職種が集う建設現場の中でも、型枠解体は特に危険な作業とされています。
型枠は、頑丈に組み立てられている半面、解体する手順を誤ると一気に崩れ落ちることがあるからです。
型枠に使われる資材は重たい物が多いので、大きなケガにつながります。
注意事項
型枠解体時の主な注意事項は以下の通りです。
- 不安定な姿勢での作業による、転倒、転落
- 手順を誤り、不意に落下した資材と接触
- バールや資材を操作する際に指先を挟む
熱中症への対策
また、コンクリートが固まる際に発生する熱により、真夏にはサウナのような室内で作業を行います。
水分や塩分をこまめに補給したり、空調服と呼ばれる小型扇風機付きの作業服を着たりして、熱中症を防ぎます。
「他にない感触でクセに」職人インタビュー
ここからは、実際に型枠解体工として働いている職人さんのインタビューをご紹介します。
最初は、とにかくキツかったのを覚えています(笑)
僕たちが解体した材料って、型枠大工さんが次の工程で使う必要があるんです。
しかもすぐに使うんですよ。解体して材料が来るのを、大工さんが待ってるわけです。材料がないと仕事ができないから。
特に朝イチは急いで作業しなきゃならなくて、大変なんです。
そのペースになれるまでは、キツかったですね。
「来るところ間違った」と思いましたよ(笑)
最初は材料を運んだり、小物を袋詰めしたり雑用がメインだったんです。
それから1か月くらいした時に、初めてバールを使わせてもらいました。
バールで枠を剥がすことを「バラす」と言うんですけど、バラす感覚が超気持ちよかったんです(笑)
他にない感触でクセになりました!
そして、単純作業の繰り返しのようなんですけど、実は奥が深くてどんどん沼にハマっていきましたね。
解体って言うけど、建てる仕事なんですよ。
自分が頑張って作業した結果、立派な建物が残っていくのは嬉しいです。
子供にも「このビルを建てる時は、お父さんも働いたんだぞ」とか言ってます!
あと、大きな仕事をやり遂げた時の達成感ですね。
型枠解体は、仲間と連携して作業することが多くて、チームプレイが重要なんです。
体育会系の部活みたいに、みんなで目標に向かって頑張るみたいなところがあります。
目標が大きいほど達成感も大きくて、感動します。
建設資材とか作業場、重機、トラックとか必要なく、自分の技術ひとつでやっていける職業なので、僕みたいに20代で独立する人も結構います!
最初は一人親方から始まって、従業員を雇うようになり、気付けば株式会社になってました。始めたころは、将来自分が社長になるなんて思ってなかったですけど(笑)
難しいっすね(笑)
えーと、僕は実際やってみるまで型枠解体を知らなかったんですけど、やってみたらどんどんハマりました!
もし、いま就職とか転職を考えているなら、ぜひ型枠解体も候補にいれてみてください!
僕は楽しくてやりがいある仕事だと思います!
まとめ
お仕事紹介Vol.2型枠解体はいかがでしたか?
世間には知られていない型枠解体工ですが、知れば知るほどハマっていく魅力があるようです。
建設業の中でも屈指の厳しい環境にありながら、1度ハマるとやめられない仕事。
楽しくてやりがいのある型枠解体工にあなたもなってみませんか?
型枠解体の仕事探しはブルカラへどうぞ