「鳶」(とび)という職業、あなたも1度は耳にしたことがあるでしょう。
しかし、知名度の高さと比べると、仕事内容はそれほど知られていません。
鳶は、高所作業のプロフェッショナルです。
知れば知るほど、スケールの大きさに驚きます。
時に、地上100メートルを超える危険な場所にあがり、命がけの作業。
時に、重さ100トンを超える重量物を運んで、設計図通りにピタリと設置。
多彩な技を持ち、空中を制する姿から「現場の華」と言われることもある、鳶職のお仕事を紹介します。
多彩な技
鳶職の主な任務は、高所作業。
地域密着型の町鳶(まちとび)や、電気工事専門の送電鳶(そうでんとび)など、得意分野に特化した多彩な技を持つ鳶職が存在します。
その中でも代表的な4種の鳶職を紹介します。
足場鳶(あしばとび)
建設現場で、足場を組立・解体するのが足場鳶です。
ビルやマンションなどの建設現場では、型枠大工、鉄筋工、左官工など様々な職人が、作業します。
しかし、外壁周りや吹き抜け部分などの高所では、整備された足場がないと危険で、各業者は工事を進められません。
そこで、必要な場所に作業しやすく安全な足場を設置するのが、足場鳶の仕事です。
足場の組み立てや解体は、一歩間違えば自らが落下するかもしれない危険な作業ですが、他業者のために任務を遂行します。
もっとも目にする機会の多い鳶職です。
鉄骨鳶(てっこつとび)
建物の鉄骨を組み立てる職人が鉄骨鳶です。
鉄骨とは、ビルや商業施設、立体駐車場などで採用される鉄骨構造の、骨組み部分のこと。
鉄骨構造の建物は、はじめに鉄骨だけを最上階まで組み立てます。
高さは地上100メートル以上になることも。
骨組みだけなので、建物の床となる部分はありません。
足元が狭く、風の影響も受けやすい上空で、クレーンが吊り上げた不安定な鉄骨を正確につなぎ合わせていくのが鉄骨鳶の仕事です。
高い集中力と身体能力を必要とする鳶職です。
橋梁鳶(きょうりょうとび)
高速道路などの高架線や鉄橋など、橋を架ける工事で活躍するのが橋梁鳶です。
橋の架設作業全般に携わるため、豊富な知識と技術を持っています。
橋梁鳶は、ほとんどが海の上、川の上、道路上、山の中など特殊な状況での工事。
現場環境ごとに違う工法を考えて作業を行うため、臨機応変な対応力が求められます。
近場での工事件数には限りがあるので、出張作業が多い傾向があります。
重量鳶(じゅうりょうとび)
大型機械や設備の運搬、設置、すえ付けを専門に行うのは重量鳶です。
重量鳶の活躍の場は、工場や商業施設など特殊な建物の新築や移転。
例えば、大型の空調設備や電気設備の設置などです。
大きいもので100トンを超える重量物を、大型クレーンやフォークリフト、チェーンブロックなどを使って、限られた狭いスペースにもミリ単位の正確さで設置、すえ付けします。
機械の種類や設置状況が異なるため、それぞれの現場に合わせた計画と、操作技術が求められます。
他の鳶職より、高所での作業は少なめですが、電気や給排水といった設備に関する知識も必要です。
現場の華
「建設業は、鳶に始まり、鳶に終わる」
こんな言葉があるほど、様々な工事で従事する鳶職。
高所でも臆することなく、高い技術を駆使して華麗に作業する姿はまさに「現場の華」
他業種の職人からも一目置かれる存在です。
「高所作業が多く危険を伴うこと」「高い技術や豊富な知識が求められること」「慢性的な人手不足が続いていること」を理由に、業界全体の給与水準が高いことも鳶職の特徴のひとつ。
未経験でも、1年目から月給30万円超えが狙えるうえに、経験を重ねることで、20代のうちに年収600万円以上も夢じゃない世界です。
鳶になる
鳶だけが見ている風景
地上100メートルを超える高所、重さ100トンを超える重量物。
スケールの大きな作業で感じられるのは、非日常的な体験、鳶だけが見ている風景です。
「ちょっと見てみたい」「カッコいいかも」「自分にもできるのかな?」
そう感じた方はぜひ鳶になってください。
高所恐怖症の人が鳶職になるのは難しいかもしれません。
しかし、それ以上にダメなのは無茶や無謀をしがちな人。
自分が怪我をしたり、周囲に怪我をさせたり、最悪の場合は命に関わることも考えられるからです。
鳶職は危険が伴う仕事。
自分はもちろん、工具ひとつ落とさないよう、慎重に作業できる人が鳶職に向いています。
鳶に必要な能力
すべての鳶職に共通する重要な能力が以下の5つです。
- 高所で作業する度胸がある
- 簡単なミスをしない集中力がある
- 建設資材を運ぶ体力がある
- 作業をスムーズに進める計画性がある
- 仲間同士で協力して作業する協調性がある
ひとつでも当てはまるものがあれば、あなたは鳶職に向いています!
特別な技術や資格は働きながら取得できます。
高い学歴も必要ありません。
やる気があれば、誰でも挑戦可能です。
若くしてリーダーになる人も沢山います。
足場鳶の仕事の流れ
足場鳶の仕事の流れを紹介します。
- 図面を把握して足場を計画
- 建物の形状や高さに合わせて資材を発注
- 現場に資材を搬入
- 足場を組み立て
- 落下防止ネットや防音シートの貼り付け
- 他業者が足場上で必要な作業を行う
- 足場を解体
- 解体後の資材を搬出
未経験者は、資材を運んだり手渡しする地上作業から始めます。
作業を続けるうちに知識と体力がつき、高所での組立、解体作業へ移行していきます。
組立作業など一通りの作業ができるようになると、指示出しや工程打ち合わせ、安全管理など職長と呼ばれるリーダーの道へ進みます。
まとめ
多彩な鳶職、いずれも自らの危険をかえりみず、人のために働くカッコいいお仕事ですね。
あなたも、鳶だけが見ている景色を見に行きませんか?
・簡単なミスをしない集中力がある
・建設資材を運ぶ体力がある
・作業をスムーズに進める計画性がある
・仲間同士で協力して作業する協調性がある
ひとつでも当てはまるものがあれば、あなたは鳶職に向いています!
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