「建設キャリアアップシステムってなんですか?」
あなたは答えられますか?
Googleで検索しても、難しいサイトが出てきてよくわかりません(涙)
気になるけど今さら聞けない建設キャリアアップシステム。
ここでは、一人親方や個人事業主、または小規模法人代表者の方向けに、簡単に解説します。
今回解説する内容は大きく分けて3つ。
・建設キャリアアップシステムとは何か
・建設キャリアアップシステムの課題
・建設キャリアアップシステムの活用方法
建設キャリアアップシステムを知り、上手に活用することができれば、現場獲得、業務効率化、人材育成につながり、採用活動も優位に進めることができるかもしれません!
ぜひ最後まで読んで、建設キャリアアップシステムへの理解を深めてくださいね!
建設キャリアアップシステムとは
建設キャリアアップシステム(以下CCUS)は職人の資格や就業実績を登録・管理するシステムのことです。
登録した情報を業界全体で共有することで、職人の賃金を上げたり、事務手続きの手間を減らすことを目的につくられました。
令和6年3月現在は、国土交通省がリーダーとなり、建設業における全事業所と全職人の加入を目指しているところです。
CCUSに加入するには、事業所と職人それぞれの申請登録が必要となります。
確定申告などの面倒な手続きが苦手な人は、思い切って専門家へ委託することをオススメします。
それでも「無駄な経費を使いたくない」という場合は、自力での申請も可能なので頑張ってトライしましょう!
申請が済むと1カ月程度で事業所宛てに職人さんのカードが届きます。
所属会社、社会保険加入情報、所有資格などのデータが登録してあり、建設業界で使えるマイナンバーカードのようなものです。
カードは、仕事を始める前と帰りに現場のカードリーダーにかざすことで就業履歴がシステム内に残っていき、建退共とも連携することができます。
システム内に残された就業日数や資格などをもとに、職人の技能レベルが決まり、レベルごとにカードが色わけされています。
この技能レベルをもとに職人の待遇改善につなげること、事業者の施工能力を見える化することがCCUSの主な目的です。
建設キャリアアップシステムの課題
現在のCCUSは完全なシステムではなく、多くの課題があります。
①評価基準のかたより
リーダーシップやコミュニケーションスキルなど、作業力以外の能力が評価されにくい面もあるなど、評価基準のかたよりがあると言われています。
②登録者数の低迷
令和5年5月末時点でのシステム登録者数が、職人数119万人、事業者数23万者となっており、目標としている全職人約330万人の36%程しか登録できていません。
③加入に対するメリットが示せていない
CCUSの利用には、登録料やシステム利用料、現場利用料など少なくない費用の負担が必要になります。
しかし、現在のシステムでは全事業所にとって費用の負担に見合ったメリットがあるかは難しいところで、今後の登録者数を伸ばすうえでの課題となっています。
建設キャリアアップシステムをうまく活用する
課題の多いCCUSですが、うまく活用する方法はないのでしょうか?
ここで少し考えてみましょう。
①現場獲得交渉に活用する
公共工事と比べると、まだ進んでいない民間工事現場にも、CCUS登録の波がいずれやってくるでしょう。
ライバル事業者より早く登録することで、元請け事業者へ現場獲得交渉のアピールになります。
②業務効率化に活用する
職人の勤怠管理や建退共の証紙張りは、人数が多くなるほど大変になりますね。
CCUSを活用することで、面倒な手作業を減らすことができます。
また、いずれはマイナンバーカードとの連携などが実行される予定で、安全書類の提出なども軽減される可能性があります。
③CCUSを利用した職人の評価基準を作る
CCUSの就業データでは、いつ、どこで、だれが、どんな立場(職長など)で就業したかが簡単にわかります。
正確なデータをもとにした公平な評価基準を作ることで、職人も明確な目標を持って仕事に取り組むことができ、結果として人材育成につなげることができます。
④求職者に好印象を与えることができるかも⁉
建設業の人手不足の主な原因は、建設業全体が抱える悪いイメージです。
きつい、汚い、危険など3Kと呼ばれる建設業のイメージは、各世代に広く根付いています。
CCUSは、職人の能力や経験に応じた正しい評価基準をつくること、人を雇い育成に力を入れる事業所を評価することで、建設業界の労働環境と経営環境を改善し、若い世代が安心して働ける環境を作るという目標をもってつくられました。
CCUSを通した人材育成や待遇改善姿勢を示すことで、求職者に好印象を与え、採用活動を優位に進めることができるかもしれません。
・CCUSは業界全体で経営環境の改善、労働環境の改善に取り組むためのシステム
・発展途上のシステムで、課題は多い
・うまく活用することで現場獲得、業務効率化、人材育成につながり、採用活動でも優位に
まだ課題は多い建設キャリアアップシステムですが、国土交通省が主体となって国が推進しているシステムなので、早めに登録することをオススメします。
うまく活用して人材育成や採用活動につなげましょう!