技能実習制度の「難しそう」なポイントをギュッと絞ってサクッと解説

技能実習制度は「人づくり」という面において日本が世界に貢献することを目的とした制度です。

制度の大まかな順序
・開発途上国の若者を日本に迎える
・日本で技術を身につける
・祖国に帰る
・身につけた技術で国の発展に貢献する

日本国内の人手不足を解消するための制度ではありませんが、実質的に雇用の安定化や職場の活性化につながることから、受け入れ人数は年々増加しています。

ベトナム、インドネシア、フィリピンなど、日本にいる技能実習生の数は約36万人で、そのうち約20%が建設業です。

建設業とは関係性が深い技能実習制度ですが、いざ実際に利用するのは「難しそう」と感じませんか?

今回は、建設事業者が制度を利用するうえで重要な3項目「手続き」「受け入れ準備」「育成・指導」のポイントをギュッと絞ってサクッと解説します。

手続き

手続きをするうえでのポイントは3つです。

①技能実習制度の受け入れ対象企業の要件

まず、制度の受け入れ対象企業の要件をクリアする必要があります。

  • 建設業許可を受けていること
  • 建設キャリアアップシステムに加入していること
  • 適切な待遇で受け入れること
  • 監理団体による実習監理を受けること

監理団体については、続けて説明しますね。

②監理団体を選んで入会

監理団体とは、技能実習生と受け入れ事業者のサポートを行うための団体。

事業者にとってはパートナーです。

監理団体を選ぶ際には複数の候補をあげて比較してみましょう。

例えば、監理団体には「特定監理事業」と「一般監理事業」があり、※最長5年の在留資格を受けることができる技能実習生をあっせんできるのは、優良とされる一般監理団体のみとなっています。

このように、実績や教育体制、かかる費用などが監理団体によって異なります。

※技能実習生は決められた期間ごとにテストがあり、その結果や条件によって1号→2号→3号と移行していくことで在留期間を延長できる

③技能実習計画をつくる

技能実習計画は、受け入れ事業者が技能実習生にどのような技能実習を行うかなどを記載するものです。

始めに説明したように、技能実習制度の目的は人を育てること。

そのために具体的な計画を立てることが、制度利用の要件となっています。

技能実習計画をつくる際にも監理団体がサポートしてくれるので安心です。

難しそうな手続きのポイント「良い監理団体を選んで入会すること」

受け入れ準備

必要とされる条件の一部をピックアップして箇条書きにしてみます。

①生活環境の確保

  • 寝る場所は、1人につき4.5㎡(約3畳)以上を確保
  • 1人ずつ収納スペースを確保し、施錠が可能
  • 暖房設備がある
  • トイレ、洗面所、お風呂場、洗濯する場所を設ける

②技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員を配置

  • 技能実習責任者=過去3年以内に技能実習責任者講習を修了など
  • 技能実習指導員=技能実習生に習得させようとする技能で5年以上の経験
  • 生活指導員=技能実習生の生活を指導する

③保険の加入

  • 日本人労働者と同様に社会保険加入義務がある

④必要費用の用意

  • 監理団体入会費・年会費
  • 渡航費
  • 入国後講習費

ここに上げたのは条件の一部ですが、箇条書きにしてひとつひとつを見てみると、簡単にクリアできることばかりです。

難しそうな受け入れ準備のポイント「ひとつずつ確実に準備すること」

育成・指導

言葉も文化も違う技能実習生の育成・指導でのポイントとは?

①言葉の問題を解決するツール

育成・指導において特に心配なのは、言葉の問題。

しかし、時代の進化は素晴らしいもので、問題を解決してくれるツールがあるんですよ。

そのひとつが音声翻訳機です。

音声翻訳機があれば、外国語が話せなくても技能実習生と会話ができます。

操作はボタンひとつで、とっても簡単。

まるで未来から来たネコ型ロボットの道具のようですね。

特にWi-Fiやモバイルデータ通信が利用できるオンラインタイプをオススメします。

音声翻訳機を買わなくても、スマホに無料でダウンロードできる翻訳アプリもあります。

仕事中の使用を考えると、故障リスクや起動までの手間はありますが、テキスト翻訳や写真を使用した翻訳など無料で使うには文句なしの機能が備わっていますよ。

②業務マニュアルの作成

一度業務マニュアルをつくってしまえば、技能実習生にかぎらず、これからの新人社員の育成・指導に長く使うことができます。

建設現場では、状況に応じた臨機応変な作業が必要なことも多いですが、基本となる業務マニュアルは作っておいて無駄になりません。

③信頼関係の構築

人権侵害や失踪など、受け入れ事業者と技能実習生との間でトラブルが発生することもあります。

しっかりコミュニケーションをとり、信頼関係を築いていきましょう

技能実習生の多くは、信頼する相手を裏切ることはないうえに「自身の夢を叶えるため」や「母国で暮らす家族を養うため」などの様々な理由があり、意欲的に仕事に取り組む姿を見せてくれます。

難しそうな育成・指導のポイント「信頼関係を築いていくこと」

まとめ

・良い監理団体を選んで入会すること
・ひとつずつ確実に準備すること
・信頼関係を築いていくこと

言葉や文化は違えど相手は人です。

信頼関係を築くために必要なことに国籍は関係ありません。

相手を理解しようとする姿勢

相手を思いやる気持ち

違いを尊重する心

これらを日頃から忘れず、少しずつ信頼関係を築いていくことが、技能実習制度を利用するうえで最も大切でしょう。

 

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